LINEで繋がっても、人は繋がらない ― 紹介者のセンスが試される瞬間
- 2025.08.27
- コラム

今日のモヤモヤは「 “仕事できる風”なおじさん」。
“自分は仕事ができる”と勘違いして立ちまわりを外す姿ほど、見ていて疲れるものはない。
また経営者会へのお誘いが届いた。
交流会の空気がどうも苦手で、今までは何度も丁寧にお断りしてきた。
けれど今回は少し違った。
「あなたの経歴を話したら、ぜひ紹介してほしいと言われたんだ。繋げてもいいかな?」
そう言われて、「そのくらいなら」と承諾した。
すぐにLINEのグループが作られ、紹介文が流れてきた。
「こちらが経営者Bさん。こんな事業をされています」
続けてBさんから「初めまして」という挨拶。
私も「ご紹介ありがとうございます。Bさん、よろしくお願いします」と返す。
流れるように始まったはずのやりとり。
ところが…
「ぜひ情報交換を」というBさんの言葉を受けて、私は日程候補を5日間ほど提示した。
「もし都合が合わなければ、他の日程でも大丈夫です」そんなフォローも添えて。
3日経っても、既読スルーのまま、返事は来なかった。
紹介者のAさんも、何もフォローしない。
ただ静かなグループチャットに、私だけが取り残されたように感じた。

Bさんに対しての怒りはあまりなかった。
社交辞令だったのかもしれない――でも、そういう雰囲気でもなかった。
ただ、私の存在が返事を返す優先順位の外にあるのだろうかと、ふと感じた。
「少し軽んじられたかな」――その程度の残念さである。
けれど、紹介したAさんが何も言わず、何も動かないこと。
その無責任さに、私はイラっとしてしまった。
「紹介する」という行為には、場を整える責任も含まれるのではないか。
ただLINEで繋ぐことが“紹介”なのだろうか。
結局、Bさんからは後日、Aさんを通じて謝罪のメッセージが届いた。
Aさんはそのスクショを私に転送してきた。
「Bさんが悪かったから」――そんな調子で、Aさん自身の言葉は一切なかった。
その瞬間、私はもう「どうでもいい」と思った。
Bさんへの失望よりも、Aさんへの信頼の方が先に揺らいでしまったのだから。
人と人をつなぐことは、ただ連絡先を交換することじゃない。
紹介者が最後まで橋渡しをし、安心できる場を整えてこそ、その紹介に意味が宿る。

紹介してくれる人を信頼できるかどうか――
それが結局、人間関係の温度感を決めてしまうのかもしれない。
そんな空気をリセットしてくれるのが、今日の一本。
南仏プロヴァンスのロゼワイン。
淡いサーモンピンクのグラスから立ちのぼるのは、フレッシュな赤い果実とハーブの香り。
一口含めば、軽やかな酸とすっきりとした余韻が、胸の奥に溜まったもやもやをさらっていく。
プロヴァンスのロゼは、人間関係の湿った空気を吹き飛ばす、最高の相棒なのかもしれない。
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