30代後半・子どもがいない私に降ってきた涙のとばっちり
- 2025.09.03
- コラム

今日のモヤモヤは「降ってきた涙のとばっちり」。
30代後半・子どもがいない私に、まさかの“不妊トーク”が直撃した。
フリーランスや起業した女性たちが集うランチ会。 メンバーは15人ほど。
代表の方も、私以外の参加者も皆さまお子さんがいるママ。だけどコミュニティのテーマは「起業」と「ビジネス」。
だから、参加する前から「子育て話で孤立するかも」なんて心配はなかった。
実際、ランチ会はとても楽しかった。
美味しい料理と、新しい挑戦をする女性たちとの会話。
相手に子供がいるかどうかなんて関係ない。
私は「やっぱり来てよかった」と思っていた。

ところが、そのあと事件が起きた。
ランチ後、ある女性に呼び止められた。
特別仲が良かったわけでもない彼女。
「Hanaちゃん、大丈夫?」 と開口一番。
「何が?」と聞き返すと、
「みんな子供の話してるから…」
……。
どうやら彼女の頭の中では、30代後半で子どもがいない私は「授かれない人」になっていたらしい。
「大丈夫だよ」と返した私に、 彼女は涙ながらに、不妊治療のことや夫と真剣に子供のことを話し合えなどと語り始めた。ちなみに不妊治療をしている前提(私、したことありません)。
彼女はなぜ泣いているのだろう。情緒不安定すぎるでしょ。

聞けば、彼女にはすでに2人の子どもがいて、3人目が欲しいのだという。
ちょうどその日、ランチ会で「3人目を授かりました」と発表した人がいて、彼女の心をざわつかせたのかもしれない。
でも――正直言って、私はとばっちりを受けた気分だった。
彼女は私を「子供を授かれないかわいそうな人」と勝手に決めつけていたのだ。
“勝手に私の人生に物語をのせないでほしい。”
私が泣きたいのは、あなたの涙を浴びせられたこの状況のほう。
家に帰ってからも、胸の奥でモヤモヤとイライラが消えなかった。

そんなもやもや気分を吹き飛ばすのは、冷蔵庫でキンと冷やしておいたクレマン・ダルザス。
シャンパーニュ製法で造られるスパークリングなのに、価格はぐっと控えめ。
きめ細かい泡が立ち上るグラスを覗き込めば、リンゴや白い花のような香りがふわりと広がる。
ひと口飲めば、軽やかな酸が体の奥までシャワーのように駆け抜け、胸の奥のざらつきを一瞬で洗い流してくれる。
そう、これぞ“コスパ優秀”なスパークリングの底力。
他人から降ってきた涙のとばっちりなんて、この泡の弾ける音とともに遠ざかっていく。
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