【読書感想】自信加乗/富坂美織~自分の存在価値を示す~

何度も読み返す本があります。
独身の時、恋愛や仕事で悩んだ時から今でも。
結婚して年を重ねて、いろいろできることも増えてきても悩むことがある。
そんな時に自然と手に取ってしまう本が富坂美織さんの「自信加乗」
講談社、2012年10月23日初版。
富坂美織とは
1980年、東京都生まれ。
愛育病院産婦人科医を経て、2009年、ハーバード大学公衆衛生大学院に留学し、翌年、ハーバード修士号取得。同年、マッキンゼーに勤務し、 コンサルタントを務め、2011年から山王病院産婦人科医。フジテレビ「とくダネ!」の隔週火曜日コメンテーター、「Discovery Channel Curiosity 」などに出演。「25ans」でエレガント医療コラムを執筆中。
スーパーウーマンなのですが、もともとは人見知りの「受験劣等生」だったそう。そんな富坂さんが世界最難関校留学、トップコンサルタントとして活躍できた秘訣は「欲張りな好奇心」。どんなに凹んでもポジティブになれる45のエッセンスが詰まっています。
目次のタイトルを見るだけで、興味が沸きます。
例えば…
「正面玄関を叩いてダメなら、勝手口を叩こう!」
「とりあえずイエスと答えよう!」
「根拠のない不安を克服する方法」
「どうしようかと悩む前にキーボードに手をかけよう」
などなど。
悩みを解決したり、決断する背中を押してくれる本です。
記憶に残るいくつかをご紹介します。
誰かのせいにしてはいけない
彼氏ができない、いい出会いがない、素敵な人がいても「結婚する気があるのだろうか?」と恋愛に関する悩みが、世間的な結婚適齢期と言われる女性にはあるのではないでしょうか。
私も周りが結婚しだしたときにはちょっぴり焦ったものです。
友達の間で「THE RULES―理想の男性と結婚するための35の法則」が流行って、恋愛は駆け引きが必要なのかぁなんて真剣に考えたこともありました。
また、よく当たると噂の占い師のもとへ出向いたことも…
でもこの本の言葉にハッとしたんです。
「占星術に頼らずに、彼の瞳を見てみよう」
私はこの人と結婚して大丈夫ですか?
どうすればうまくいきますか?
そんなことを聞いて何になるのだろう。
もしも失敗したら、占い師のせいにできますがそれじゃあなかなか立ち直れない。
きっと占いに頼ってしまうのは不安定な心を抱えているから。
上手くいかない結果であっても自分で決めた道なら、しょうがないと受け止めて次に進むのも早いと富坂さんは言います。
「彼は私のことをどう思っていますか?」と占い師に尋ねるより、自分で彼に確かめたほうがいいですよね。
人生を誰かのせいにはできないということ。
自立心を育む意識を持たなければと思いました。
ありのままで
衝撃的で記憶に残っているのが富坂さんのマッキンゼー時代の先輩の話。
コンサルタントは時間単位でのクライアントチャージで仕事をこなすため、時間を有効に使うことに執着する人が多いそう。
なかでもド肝を抜かれた先輩が…
ホームパーティで先輩の家に招かれ、すき焼きをした時のこと。
後片付けを手伝おうと声をかけると、不要とのお達しが。
なんと先輩はすき焼きに使った鍋や瀬戸物の器まで全てを使い捨てにするそう。
理由は「一日のチャージを時間で割ると一時間当たりの金額は鍋や食器の値段を超える」から。
ということは洗い物をする時間に仕事をしたほうがいいと真顔で言い放ったそうです!
衝撃的な話でずっと忘れられませんでした (笑)
この話で富坂さんが指摘しているのは、
自分の個性を押し殺していませんか?ということ。
好みの男性に好かれようと相手に好まれるようなメイクやファッション、話し方や立ち振る舞いなど。
失礼ながら驚くことに、お皿を捨てる先輩女性は結婚されているとのこと。
奇人変人を隠さなくても「そのままのあなたでいい」という男性がいるのですね。
あなたは人と同じように無難な行動をしようということに気を取られ、本来できるはずのことをしないまま人生の中で長い列に並んでいるのではありませんか?
(中略)
好奇心を原動力にいろんなことに挑戦し、他人に揶揄されてもどこ吹く風で、好まれる奇人となってしまえばいいのです。
悪い結果=不幸ではない
就職活動で内定をもらえなかったり、資格試験に落ちてしまったり、彼氏に振られたり…人生の中で一度は「悪い結果」を受け取ったことがあるのではないでしょうか。
この本の中に
何かを選択することでよい結果を得ることができたとしても、それが幸せなことであるとは限らない。
その代わり悪い結果に終わってしまったとしても不幸であるとは限らない
(中略)
それさえわかっていれば、何があっても落ち込むことはないんだよ
この話、とてもいい話だなと思いました。
自分自身、当時は「悪い結果」をもらって悔しくて、泣いて、もうだめかもしれないと思ったことがあります。
就職活動でのこと。
第一志望だったけど入社日の関係で、合格したら大学を退学して入社しなければならないという状況で、最終面接で不採用だったんです。
その時は悔しくて悔しくて…
でも今思えば、ちゃんと卒業して、その後にもっと大手の航空会社で国際線CAになれたので、あの時不採用でよかったなぁと今でも両親としみじみとその時のことを話したりします。
トラウマを克服する方法
人前に立つと掌にべったりと汗をかいて、言うべきことを忘れてしまうという悩みを抱える人の話。
その人はある方法でトラウマを克服します。
「掌に汗をかく」➡「言うことを忘れてしまう」と関連付けてしまうのがよくなく、「掌に汗をかく」ことと「言うことを忘れてしまう」という関連性を外すことで克服したとのこと。
掌に汗をかいてしまったとしても、そこで思考をシャットアウトしてしまえば、すらすらと話すことができるようになる。
マイナス思考は全て思い込みに過ぎないということ。
このことを理解すれば、私たちが日常生活を送るうえで知らず知らずのうちに行動の妨げとなっているトラウマを克服することができます。
酷評が多い理由
AMAZONのカスタマーレビューを見ると酷評が多いです。
内容が薄いだのいろいろ書いてありますが、華やかな経歴への妬みを感じます。
軽く読めて、ポジティブになりたい!という方におススメの本です。
私はタイトルに惹かれ、さらに目次にテンポの良さを感じたんですよね。
キャッチ―な言葉が並んでいてワクワクしました。
本の内容に文句を言う人って多いけれど、そんな本を買ってしまった自分の見る目のなさは反省しないのでしょうかね。
まぁ、たくさん読まれているということは一定のマイナス評価もしょうがないのでしょうが、それらは富坂さんへの妬みにしか取れないレビューが多いです。
人生を誰かのせいにすることはできない
この本を選ぶか選ばないかはあなたの自由です。
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