ブライダル司会者の仕事【経験談】
- ブライダル司会者の仕事って何をするの?
- 資格や経験は必要?
- メリットやデメリットは?
ブライダル司会者の仕事をしていた私が感じたことをご紹介しますので、この業界に興味がある方への参考になれば幸いです。
ブライダル司会者になったきっかけ
国際線CAを辞めた後、OLをしながら、日曜日に習い事としてアナウンススクール(恵比寿の東京アナウンスアカデミー、現在は閉鎖中)のブライダル科に通っていました。
アナウンススクールに通おうと思ったのは、「人前で話すのが苦手で、克服したかった」から。コースは何でもよかったんです。たまたまブライダル科があって、お値段も期間もちょうどよかったので通い始めました。
半年間で12回くらいのコースだったと思います。
最後に、司会事務所が15社ほど参加する学内オーディションと言うものがあり、そこで、数社の事務所からお声がけをいただき、1社の事務所に所属することになりました。
事務所に所属してから
元アナウンサー女性社長の事務所(所属司会者5人くらい)に所属することになります。
合格通知をもらった数社の事務所に見学に行き、フォローがしっかりしていそうな事務所に決めました。
大規模で、華やかな事務所もあったのですが、先輩とかいるの嫌だなと思って(CAの世界でこりごり!!笑)少人数の小さな事務所にしました。
ちなみに事務所に所属したからと言ってすぐにデビューできるわけではありません!
そこから毎週、社長とのマンツーマンレッスンが始まりました。結局デビューできたのは4カ月後でした。
私にとってはちょうどいいデビュー時期でした。なぜなら、、、まったくの初心者!アナウンススクールに通ってはいたけど、超アガリ症だし、人前でしゃべった経験なんてほとんどないし、マイクを握ったことすらほとんどないから(機内アナウンスはしてたけどね)、事務所に入った時、不安しかなかった。だから、デビューまで時間があって本当に良かった!
司会者デビュー
デビュー前は色んな先輩が司会をされる現場で見学させていただきました。
もちろん、披露宴は2時間半ほどで拘束時間は長いですが、お給料も交通費もありませんよ…。
初めてのお客さまとの打ち合わせの時に、新婦さんに「どのくらいこの仕事をされているんですか?」と聞かれて、「1年ほどです」と答えました。
まさか初めて、なんて言えない(笑)
これは社長からそう言えって言われていました。
デビューを支えた心の持ちよう
私は超がつく、アガリ症。だったら何で司会者になるのって感じですけど、アガリ症を克服したくて荒治療みたいな感じ。
今まで話し方教室とか行ってみましたが、その日は「アガリ症を克服できるかも」と思うのですが、すぐに元通り。そう簡単にはいきません。
そんな私、デビューまでに何度もトレーニングをしたとはいえ、100人くらいの前で話すのは初体験!考えただけで不安でしょうがなかった。
この緊張を乗り越えて、デビューをした時の心の持ちようをご紹介します。
- 新人の方がお客さまに喜ばれる
社長が「一つの披露宴のために入念に準備をしてくれるから、新人司会者の方がお客さまに喜ばれる。ベテランにはない良さがある」と言ってくれて、新人司会者であるメリットを感じられて、心の支えになりました。
スキル的なことでは…
- 緊張しても大丈夫、それが見えなければ
元アナウンサーの社長、生放送に出演していた経験もあるのに、今でも緊張することはあるそう。ガタガタ震えて、司会台につかまりながら話したこともある。緊張しても、緊張が伝わらなければ大丈夫なのよ!と。
「緊張=失敗」という思い込みがあったのですが、「緊張することは悪いことじゃない、正常」なんだときずかされ、楽になりました。
- 話し始めは低い声で
緊張すると、思っている以上に最初の一言は声がうわずりがち。低いかな?と思うくらいの声で第一声を発するとちょうどいい。
人前で話すときは、いつも意識しています。意識することがルーティーンみたいになっていて、冷静になれるんです。
- 祈っているから大丈夫
初仕事直前に、社長から「祈ってますから大丈夫。」と短いメールが届きました。言葉の力を感じました。短い言葉でこんなに勇気を与えられるんだなと。
ブライダル司会者の仕事(私の場合)
1組のカップルにつき、2回お会いします。
それは…
- 打合せ
- 披露宴当日
披露宴の1か月ほど前に1時間半の打合せ
この時にするのは
-
自己紹介
-
当日の流れの確認
-
お二人のプロフィールの確認(希望により披露宴の中でご紹介)
〇〇さん1995年福岡県福岡市でお生まれになりました…小さい頃は、みたいなやつ。
そしてお二人の出会いは…とか、
プロポーズの言葉は?なんてインタビューするんです。
色んなカップルがいて面白いです。
どんな出会いであっても、(ナンパとかね)ドラマティックに言い換えるわけですよ。親戚や会社の上司の前でも恥ずかしくない文章を書きます。
結構文章力が必要です。
例えばですが、ちょっとしたことでも、おじいちゃんおばあちゃん世代では「ん??」と思うようなことがあるわけです。
新郎新婦のインタビューをしていると、「付き合って始めていった〇〇が一番の思い出」とか「〇〇に旅行した時にプロポーズされました」などの話が出てきます。
これをプロフィール文章に入れると、新郎新婦世代は何とも思わないかもしれません。
でも親世代や、それ以上の方々からすると「婚前旅行??今どきの人は…」何てことになったりするわけです。
また高学歴カップルに多いのが、これでもかと経歴や資格を羅列した「自慢かよ」というプロフィールもいただけない。(笑)
だから、自分の感覚を常に疑いながら、全ての参加者が、「素敵な二人ね」と祝福してくれるようなプロフィール文章を心がけていました。
そして、シャイなカップルにおススメなのが、ご両親やおじいさまおばあさま、ご家族への感謝の気持ちを自分の言葉では伝えられないけど、司会者から伝えてもらうこと。
とっても喜ばれます。
また披露宴当日に、本番前に司会がご両親にご挨拶に行くのですが「〇〇さんのお母さまですか?子供のころに作ってくれたアップルパイが大好物だったって〇〇さんがおっしゃっていましたよ~。」なんて言うと、「あの子がそんなこと言ってたの??」なんて驚き&喜んでくださったり、披露宴開始前から感動の種まきをするんです。
思い返すと素敵な仕事だったな(笑)
さて、仕事の続き…
ちなみにプロフィールが完成したら、メールで新郎新婦にお送りして、修正や追加がないかご確認いただきます。
1回でOKをいただくこともあれば、5回以上のやり取りが発生することもあります…
以上が打合せですることです。
続いて
披露宴本番のお仕事
開宴の1時間前に会場入り。
プログラムの最終確認
変更点がないか、プランナーさんや、キャプテン(会場によって呼び方違うかもだけど披露宴を取り仕切る人)、音響さん、等と打ち合わせをします。
コミュニケーション取りずらい人とか、意地悪な人とかたまにいて嫌だったなぁ~特に新人司会者だと、周りはイヤみたい。なんかやらかしそうで怖いんだと思います…。
新郎新婦、ご家族にご挨拶
この時にたまに、お心づけをいただけることがあります。
披露宴前だと、身が引き締まる思い。
出来れば終わった後に欲しい…なんて。
披露宴の進行(会場によるかもだけど2時間半くらい)
準備が整わずなかなか開宴しなかったり、酔っ払いが騒がしかったり、余興が全然受けなかったり、キャンドルサービスとか演出でトラブルがあったり、停電したり、地震が起こったり、お皿が派手に割れたり、いろーーーんなことが起こります。
マイクを持っているのは司会者だけですから、何かが起こったら司会者がフォローします。
以上でお開き!
終わりとか、言っちゃいけません。言葉遣いは気を使います。
ブライダル司会者のお給料事情
事務所によると思いますが、新人司会者は披露宴1回につき、15,000円スタートが多いようです。
2時間半の披露宴で15,000円と言うと結構良さそうな気がしますが、実際は打合せと披露宴本番の日の交通費や、プロフィールを作成するのにかかる時間もありますから、決して高いとは言えないかも。
まぁ、慣れてくればお給料も上がるし、1日に2つの披露宴を掛け持ちしたりもできます。
私の事務所は人前式の司会もした時は20,000円いただいていました。
司会者の服装は?
黒のフォーマルスーツ(スカート)に、白のインナー、黒のパンプス、パールのピアス、ストッキングはベージュ。
髪の毛は夜会巻きしていました。
上品に、控えめに!がポイントかな。
私はストロベリー・フィールズでスーツを買いました。
こんな人におススメの仕事
副業をしたい人
私は暦通りのOLの仕事をしながら、副業として始めました。披露宴は土日なので、土日にさくっと副業したい人におススメ
主婦の方
拘束時間が長いのはイヤだけど仕事をしたい方。土日にさくっと稼げます。
全くの初心者の方は20代から40代が好ましいようです。
ブライダル業界に興味がある
ウェディングが好きな方っていますよね、そういう方にとっては天職だと思いますよ。
人に尽くすのが好き
誰かの役に立ちたい、という思いがある方にはぴったりだと思います。希望に添えれば、とっても感謝される仕事です。
男性のブライダル司会者はいるの?
もちろんいます!ただ圧倒的に女性が多くて、男性は仕事が少ないかもしれません。
女性司会者を希望されるカップルが多いです。
ブライダル司会者の経験は活かせる?
大いに活かせます!!
私はブライダル司会者をきっかけに、イベントや式典司会もしていました。また、新人とはいえお金をいただいているプロ司会者。
ちょっとしたところで司会をしたり、話したりすると、「上手だねぇ~」と言われていました。
一番よかったのは、当初の目的だった、「アガリ症克服」!!!
人前で話すことへの抵抗がなくなったので、さまざまなことに挑戦することへのハードルが低くなりました!
なぜ、辞めたのか
私の場合、そんなに結婚式が好きじゃなかった(笑)
やってみて分かったこと。
ウェディングケーキ入刀とか、キャンドルサービスみたいな演出があるんですが、まったく素敵だと思わず、違和感しかなかったんですよね。
そして、私が司会をしていた会場(いろんな結婚式場に派遣する事務所もあれば、毎回固定の式場に派遣する事務所もあり、私は後者)
途中から葬儀もするようになったんです…
だ・か・ら、バックヤードをショートカットして移動する時に「階段使っていいですか~?」なんて聞くと、「いいですよ~!あ、でもご遺体ありますけど。」とか言われることがあって、
キャーーー、これが本当の怪談話、なんつって。
なんだか、足が遠のいて、お仕事を断るようになってしまったのです。
また同じくして、講師業(アガリ症を克服したからこそ就けた仕事)を始めたので、忙しくなりはじめたというのがあります。
まとめ
いかがでしたか?
私が経験した、ブライダル司会者の仕事についてまとめてみました。
やってみてよかったと思うのは、「人前で話す」「人に伝える」ということは、人生で避けては通れないことですよね。
自信を持って、「人に伝えられる」ようになったのが、大きな収穫でした。
ブライダル業界に興味があって、司会者になりたい方はもちろん、「話し方」「伝え方」を身に付けたい方にもおススメのお仕事です。
私が、新人司会者の時に読んで役立ったのが
【笑いと涙を届ける「結婚式の司会」という仕事 新郎新婦にとって最高の一日を創るプロフェッショナルたち】と言う本。
ブライダル司会者としての心構えや、テクニック、言葉の言い回しなど何度も読んで参考にしました。
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